現実の日本とは異なる歴史を歩んだ「もうひとつの日本」を舞台に、多彩な“超人”たちによる饗宴を描いた『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』。昭和をモチーフとした重層的なドラマと、幾重にも張り巡らされた伏線が味わい深いオリジナルTVアニメだ。4月から待望の第2期がいよいよ放送スタートする。
第2期では、超人課を離反し、独自の道を歩む主人公・人吉爾朗の動向が気になるところ。今回、そんな人吉爾朗役を演じる石川界人さんにインタビューを敢行。役づくりからキャラクターへの想い、2期の見どころなど、話をうかがった。
[取材・構成=沖本茂義]
『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~ THE LAST SONG』
http://concreterevolutio.com/
■ 徹頭徹尾ロジカルに挑んだ役づくり
――『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』の第2期が4月から放送開始です。まずは、第1期で人吉爾朗というキャラクターを13話演じられてみてのご感想から教えてください。
石川界人さん(以下、石川)
作品自体もそうなんですが、キャラクターの構成もすごく論理的なんです。すごく難しかったんですけど、芝居の勉強になりましたし、“役者:石川界人”として幅も広がったのかな、と思います。
――とくに難しかった点は?
石川
ストーリーや世界観をふくめてハイコンテクストな作品なので、キャラクターのセリフも字面通りではなく、違うニュアンスや感情を込めないといけなかったりするんです。そのニュアンスをロジカルに突き詰めて、「あの時ああいうことがあったから、このセリフはこういうふうに言おう」と演じるわけですね。そのあたりが大変でした。
――なるほど。1期を終えての手応えはいかがでしたか?
石川
難しい……というのが正直な感想です。第2期目のアフレコが始まりましたけれど、やっぱり難しい部分がたくさんあります。まだまだ役者としても未熟だと思いますので、もっと精進していきたいですね。
――ちなみに、アフレコに臨むにあたり、先のストーリーは事前に知らされているんですか?
石川
いえ、毎回1話ごとに教えてもらう感じです。先のことはまったく分からないまま演じているので、そこはファンの皆さんと同じですね。あと、時系列が入れ替わりつつのストーリーだったので、そこも難しかったです。同じ1話のなかでも神化42年から46年に一気に飛んだりするので。
――その演じ分けはどのように?
石川
難しいのですが、その時々の状況でおのずと感情も変わる・・・・という感じです・・・・
――かなり頭を使いそうですね。
石川
そうなんです(笑)。視聴者の方も頭を使っていると思いますが、演じる側も頭を使っているんです(笑)。
――人吉爾朗が超人課を離反するに至った経緯など、物語が進むに連れて余白だったところが埋められてく感じです。未知な部分が多かった第1期に比べて、第2期はやりやすかったのかなと思ったのですが、その点いかがでしょう?
石川
第1話で爾朗が輝子たちと相対するシーンがありましたが、「なぜそうなってしまったのか?」は、想像で埋めていくしかありませんでした。そこが第2期では、答え合わせのように明らかになってくる。なので、想像と違いがあったときにいかに整合性をとってつなげていくか……その繰り返しなんです。そこは水島監督や音響監督さんなどスタッフさんと話し合いながらやっているところです。
■ お気に入りの“超人”は?
――第2期を迎えるにあたって、水島監督から「こうしてほしい」など何かディレクションはあったんですか?
石川
これがないんですよ(笑)。
――そこは「自分で考えろ」ということなんでしょうか。
石川
「考えろ」というよりも、「自分で考えたほうが良いものが生まれる」、そういう可能性を見ているんだと思います。なのでプレッシャーは大きいです。でも、すごくやりがいはあります。
――アフレコの雰囲気はいかがですか?
石川
もう、粛々と、です。考えを突き詰めていかなければならないので、すごく静かです。「和気あいあい」という雰囲気ではなく、空気が張り詰めてる感じがします。もちろん、ブースから出ると、雑談もしますけど。
――「昭和」をモチーフとした世界観ですが、平成生まれの石川さんの目にはどう映っていますか?
石川
とっても新鮮です。実は僕、特撮を観たことがなく、詳しくないんです。そんな僕でも「あ、こういうヒーローがいたんだ」と面白く見てます。だからあんまり気負わずに見てほしいですね。
――これまで登場してきた多彩なヒーローのなかで、印象的だったのは?
石川
天弓ナイトです。爾朗にとっても憧れの存在ですし、何より声がすごく良いです(笑)。あと、辻(真先)先生の“不死の家族”を描いたエピソードに出てくる、次女の森野ワカバちゃんがメチャクチャかわいい。 ワカバは風郎太から想いを寄せられていて、お互い良い雰囲気になるんだけど、別れきゃいけなくなってしまう。そのときにワカバが「アナタが思ってるよりもずっとおばあちゃんだから、わたしたちは一緒になれませんよ」みたいなセリフを言うんですけど、それが素晴らしくて。風郎太が未練を残さないようにキッパリと別れを告げつつ、自分を落とすことによって相手を嫌な気持ちにさせない。その気遣いにすごくキュンときちゃいました。
――キュンとくるお話が出たところで、爾朗の恋人である鬼野笑美についてもお聞きしたいなと。
石川
悪女というか、あそこまで陰謀が見えていると……僕はちょっと(笑)。ただ、キャラクターとしてはすごく魅力的です。腹に一物を抱え、他人を利用するところもあるけど、思慮深いし、何より爾朗への愛はものすごく深いですから。
――ふたりの恋人関係についてはどうですか?
石川
あんまり恋人っぽいことはしてなさそうですね。とくに爾朗はそういった感情が抜け落ちているというか、自覚がないと思うので。僕も演じるうえでは、笑美のことを幼なじみや姉のようにとらえていました。
■ 人吉爾朗に死んでほしい?
――石川さんも先のストーリーを知らず、そこは視聴者と同じ立場ということで、今後、爾朗はどうなると思いますか? あるいは「こうなってほしい」など。
石川
そうですね……。爾朗、死んでほしいです。
――えっ! ご自身のキャラなのにどうしてですか?
石川
ウケ狙いに思われそうですけど(笑)、実はちゃんとした理由があって、それは人の死ほど印象に残ることはないということです。爾朗は「正義とは何か?」を突き詰めていて、おそらく2期でも自分の信念を貫いていくはずです。で、世間に強烈な印象をあたえる手段として、最終的に死ぬというのが一番良いのかなと。
――やがて伝説へと……。
石川
キャラ的にもおいしいなと(笑)。ただ、演じているうちに爾朗に愛着も湧いているので、生きたまま正義を貫き世の中にインパクトを残せるなら、それにこしたことはないです。
――そのほか第2期で楽しみしているところは?
石川
1期で出てきたキャラクターがたくさん出てくるといいな。とくにワカバちゃん(笑)。
――では、最後に読者にメッセージをお願いします。
石川
昭和をモチーフにした“神化”時代の超人たちの饗宴がテーマということで、敷居が高そうに見えるかもしれません。でも、特撮物に詳しくない、そもそも昭和に生きてない僕が観てもとても面白い作品です。伏線もいろいろと張り巡らされているので、アレコレ考えながら観るとより楽しめると思います。僕もかなり考えながら人吉爾朗を演じていますので、ぜひ楽しんでもらえるとうれしいです”
第2期では、超人課を離反し、独自の道を歩む主人公・人吉爾朗の動向が気になるところ。今回、そんな人吉爾朗役を演じる石川界人さんにインタビューを敢行。役づくりからキャラクターへの想い、2期の見どころなど、話をうかがった。
[取材・構成=沖本茂義]
『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~ THE LAST SONG』
http://concreterevolutio.com/
■ 徹頭徹尾ロジカルに挑んだ役づくり
――『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』の第2期が4月から放送開始です。まずは、第1期で人吉爾朗というキャラクターを13話演じられてみてのご感想から教えてください。
石川界人さん(以下、石川)
作品自体もそうなんですが、キャラクターの構成もすごく論理的なんです。すごく難しかったんですけど、芝居の勉強になりましたし、“役者:石川界人”として幅も広がったのかな、と思います。
――とくに難しかった点は?
石川
ストーリーや世界観をふくめてハイコンテクストな作品なので、キャラクターのセリフも字面通りではなく、違うニュアンスや感情を込めないといけなかったりするんです。そのニュアンスをロジカルに突き詰めて、「あの時ああいうことがあったから、このセリフはこういうふうに言おう」と演じるわけですね。そのあたりが大変でした。
――なるほど。1期を終えての手応えはいかがでしたか?
石川
難しい……というのが正直な感想です。第2期目のアフレコが始まりましたけれど、やっぱり難しい部分がたくさんあります。まだまだ役者としても未熟だと思いますので、もっと精進していきたいですね。
――ちなみに、アフレコに臨むにあたり、先のストーリーは事前に知らされているんですか?
石川
いえ、毎回1話ごとに教えてもらう感じです。先のことはまったく分からないまま演じているので、そこはファンの皆さんと同じですね。あと、時系列が入れ替わりつつのストーリーだったので、そこも難しかったです。同じ1話のなかでも神化42年から46年に一気に飛んだりするので。
――その演じ分けはどのように?
石川
難しいのですが、その時々の状況でおのずと感情も変わる・・・・という感じです・・・・
――かなり頭を使いそうですね。
石川
そうなんです(笑)。視聴者の方も頭を使っていると思いますが、演じる側も頭を使っているんです(笑)。
――人吉爾朗が超人課を離反するに至った経緯など、物語が進むに連れて余白だったところが埋められてく感じです。未知な部分が多かった第1期に比べて、第2期はやりやすかったのかなと思ったのですが、その点いかがでしょう?
石川
第1話で爾朗が輝子たちと相対するシーンがありましたが、「なぜそうなってしまったのか?」は、想像で埋めていくしかありませんでした。そこが第2期では、答え合わせのように明らかになってくる。なので、想像と違いがあったときにいかに整合性をとってつなげていくか……その繰り返しなんです。そこは水島監督や音響監督さんなどスタッフさんと話し合いながらやっているところです。
■ お気に入りの“超人”は?
――第2期を迎えるにあたって、水島監督から「こうしてほしい」など何かディレクションはあったんですか?
石川
これがないんですよ(笑)。
――そこは「自分で考えろ」ということなんでしょうか。
石川
「考えろ」というよりも、「自分で考えたほうが良いものが生まれる」、そういう可能性を見ているんだと思います。なのでプレッシャーは大きいです。でも、すごくやりがいはあります。
――アフレコの雰囲気はいかがですか?
石川
もう、粛々と、です。考えを突き詰めていかなければならないので、すごく静かです。「和気あいあい」という雰囲気ではなく、空気が張り詰めてる感じがします。もちろん、ブースから出ると、雑談もしますけど。
――「昭和」をモチーフとした世界観ですが、平成生まれの石川さんの目にはどう映っていますか?
石川
とっても新鮮です。実は僕、特撮を観たことがなく、詳しくないんです。そんな僕でも「あ、こういうヒーローがいたんだ」と面白く見てます。だからあんまり気負わずに見てほしいですね。
――これまで登場してきた多彩なヒーローのなかで、印象的だったのは?
石川
天弓ナイトです。爾朗にとっても憧れの存在ですし、何より声がすごく良いです(笑)。あと、辻(真先)先生の“不死の家族”を描いたエピソードに出てくる、次女の森野ワカバちゃんがメチャクチャかわいい。 ワカバは風郎太から想いを寄せられていて、お互い良い雰囲気になるんだけど、別れきゃいけなくなってしまう。そのときにワカバが「アナタが思ってるよりもずっとおばあちゃんだから、わたしたちは一緒になれませんよ」みたいなセリフを言うんですけど、それが素晴らしくて。風郎太が未練を残さないようにキッパリと別れを告げつつ、自分を落とすことによって相手を嫌な気持ちにさせない。その気遣いにすごくキュンときちゃいました。
――キュンとくるお話が出たところで、爾朗の恋人である鬼野笑美についてもお聞きしたいなと。
石川
悪女というか、あそこまで陰謀が見えていると……僕はちょっと(笑)。ただ、キャラクターとしてはすごく魅力的です。腹に一物を抱え、他人を利用するところもあるけど、思慮深いし、何より爾朗への愛はものすごく深いですから。
――ふたりの恋人関係についてはどうですか?
石川
あんまり恋人っぽいことはしてなさそうですね。とくに爾朗はそういった感情が抜け落ちているというか、自覚がないと思うので。僕も演じるうえでは、笑美のことを幼なじみや姉のようにとらえていました。
■ 人吉爾朗に死んでほしい?
――石川さんも先のストーリーを知らず、そこは視聴者と同じ立場ということで、今後、爾朗はどうなると思いますか? あるいは「こうなってほしい」など。
石川
そうですね……。爾朗、死んでほしいです。
――えっ! ご自身のキャラなのにどうしてですか?
石川
ウケ狙いに思われそうですけど(笑)、実はちゃんとした理由があって、それは人の死ほど印象に残ることはないということです。爾朗は「正義とは何か?」を突き詰めていて、おそらく2期でも自分の信念を貫いていくはずです。で、世間に強烈な印象をあたえる手段として、最終的に死ぬというのが一番良いのかなと。
――やがて伝説へと……。
石川
キャラ的にもおいしいなと(笑)。ただ、演じているうちに爾朗に愛着も湧いているので、生きたまま正義を貫き世の中にインパクトを残せるなら、それにこしたことはないです。
――そのほか第2期で楽しみしているところは?
石川
1期で出てきたキャラクターがたくさん出てくるといいな。とくにワカバちゃん(笑)。
――では、最後に読者にメッセージをお願いします。
石川
昭和をモチーフにした“神化”時代の超人たちの饗宴がテーマということで、敷居が高そうに見えるかもしれません。でも、特撮物に詳しくない、そもそも昭和に生きてない僕が観てもとても面白い作品です。伏線もいろいろと張り巡らされているので、アレコレ考えながら観るとより楽しめると思います。僕もかなり考えながら人吉爾朗を演じていますので、ぜひ楽しんでもらえるとうれしいです”