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不思议工房【暗】 语り:森田成一 日文听写台本

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因为喜欢森田成一的声音,网上也没看到这一篇的日文稿子,所以自己动手听写的。如果发现错的地方,不要客气的提出来哈。


1楼2012-01-11 15:33回复
    04
    その日はスーツを买いてテーブルについた。
    何をどうしていいか分からずにまごついたが、先辈の见様见真似て客と接した。
    酒を饮みながら女性客と话をする。
    俺にとっては、想像もできなかった华やかな世界に心が踊った。
    帰りに今日の分として2万円を渡された。
    ただ数时间酒を饮んで客と话しただけなのに、こんなに稼げるなんて、心も体も震えた。
    俺の世界観は一変した。
    住むところがないと言った、寮に连れて行かれた。
    小さい部屋だったが、これまでと比べものにならないほど小奇丽で、家具も既に揃っていた。
    「これがお前の部屋だ」と言われて、胸が热くなった。
    その日は、久しぶりにぐっすり眠った。
    翌日からは流石にそうは甘くなかった。
    新人だから谁よりも早く出て、便所扫除するところから始めなければならない。
    「舐めるより绮丽にしろ」と最初に言われた言叶が俺を紧张させた。
    苛めにもあった。
    先辈のヘルプについて场を盛り上げたら、「俺の客を取るつもりか」とトイレで殴られた。
    喧哗では负けない。しかし、ぐっと堪えた。
    この职を失いたくなかった。何より居场所を失うのが怖かった。
    マネージャーに「この世界に向いている」と言われたことが心の支えになった。
    仕事にも少しずつ惯れてきて、骨も分かってきた。
    とにかく、売上がなければ、ただの时给制だ。
    月十万円では暮らしてはいけない。寮を出され、サウナに住んでいるやつもいる。
    冗谈じゃない、ここまで来て、惨めな生活に逆戻りするのは真っ平だ。
    月一千万円という信じられない额を稼ぐナンバー-ワンに憧れ、とにかくテクにこう盗んだ。
    失败を缲り返しながら猛烈に勉强した。
    そして分かったことは、世の中勘のいい奴だけが生き残れる ということだった。
    05
    要は拟似恋爱を演习する。客の心を掴むにはそれが一番手っ取り早い。
    时には优しく、时には我尽なくらいがちょうどいい。
    弱い部分や子どもっぽい一面を见せ、「この人には私がいなければ駄目なんだ」と思わせる。
    それだけでなく、时には頼れる存在であることをアッピルしなければならない。
    「君のこと、他の奴には分からないけども、俺には分かるよ。」
    そう言って、気持ちを伝えるために握った手に力を込める。
    すると、「どうして分かるの」と闻いてくる。
    「そりゃ分かるさ」と申し通しすると、「分ちゃった」とまた変化を见せる。
    ここで一気にダムを启开させる。「私のことを分かってくれるのはこの人だけなんだ」と。
    见るからにプライドが高く、肩非常张って生きてきたような客には「楽にしちゃいなよ、もう大丈夫だから」と言って肩を抱く。
    ここに自分の居场所があると思い始めたら占めたものだ。
    私にとっても、メーンでいられるところは他にない、それは客にとっても同じことなんだ。
    もちろんそれで全てがうまく行くわけじゃない。
    「あんたには関系ないでしょう」と切り返されれば、それでお仕舞いだ。
    分かりやすい、ただそれだけのことで、すぐにまた次の客に狙いをつける。
    客には水商売の人间が多い、同类だと思っている。だから、共通の痛みを持っていると思わせることが大事だ。
    とことん愚痴を闻いてやる。その愚痴の中から客のデータを収集することができる。
    共感しながらも逆に否定し、叱りつけることだって必要だ。客は拟似恋爱に金を払う。
    それがエスカレートし、金銭感がなくなっていく。その感覚を更に麻痹させる。
    高い酒を开けさせれば、それだけ金が転がり込んでくる。
    店内だけでなく、アフターも重要だ。そこでは彻底して嘘を付く。
    俺の诞生日は2月ごとにやってくる。その度に様々な客から豪华なプレゼントを受け取る。
    ローンが焦げ付いている、亲が入院して危笃だと言っては金を引っ张る。
    まるで小学生が付くような嘘を平気で付く。もちろん相手もそれを承知している。
    あからさまな嘘を受け止めても、俺に侧にいて欲しいと愿う。
    逆にそんな嘘をついてても私の侧にいてくれると考える。独占欲がますます募ってくる。
    でもお互いに心の底では分かっていて、俺たちが金さえ渡せば付いてくる、パブロフの犬だと。
    これはあくまでビジネスであり、ゲームだ。
    そしてこのゲームをクリアする为に、俺达はNO.1を目指さなければならない。
    「私が育てたホスト」、それが彼女たちにとってのステータスになるからだ。
    商谈を成立させ、结果を出す。それはどこの世界でも同じはずだ。
    しかし全てが顺调というわけにはいかない。
    金をふんだんに持った客ばかりじゃないし、水商売以外の客がいつの间にか体を売った金で店にやってくるようになることがある。
    どんな方法で金を作ったかに兴味がないが、确実にゲームオーバーが近いことを予感させるケースだ。
    更に挂売、つまり店の付けが焦げ付いた客には金を作る方法を教えることになる。
    かなり强引なやり方を押してても、そこに人间性を见てしまったら、もう商売にはならない。
    あくまでも俺たちは个人営业に过ぎない。挂売は最终的には指名されたホスト自身が责任を持つ。
    焦げ付きが続出すれば破灭するのは自分自身ということになる。
    これだって世の中の仕组みと同じだ。确実なスポンサーを増やし、弱者は切り舍てていく。
    冷静さ、洞察力、计画性がなければ、到底生き抜くことはできない世界なのだ。
    そして二年も経った顷、俺はNO.1の座についていた。


    3楼2012-01-11 15:37
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      06
      もう有顶天だった。ブランドに身を固め、自信に溢れた俺に怖い物は何もなかった。
      店に内绪で暗を始めた。店外営业のことだ。
      店を通さなければそれだけ多くの金が入ってくる。その顷には确実なスポンサーが五人いた。
      ところがここで心に仅かな隙が招致していることにこの时点ではまだ気付かなかった。
      ホストは客と肉体関系を持たないことが鉄则だ。
      その时点で拟似恋爱は终了し、金イコール生活というリアルな现実が见えてくる。
      梦が终わると同时に、人间の弱さが露呈し、心に隙を作ってしまうのだ。
      店の中では冷静さを保っていられる。周りの目もあるし、束缚があって紧张が保たれる。
      ところが、店外営业はあくまで个人の自由な世界なのだ。
      スポンサーの家を転々とするようになり、楽な方へ、楽な方へと流れていく。
      何时しか客の勧めで薬にも手を出すようになった。
      人间は弱い、それを実感するのに、そうは挂からなかった。
      禁断症状が进み、客からもらう薬だけでは足らなくなった。
      稼いだ金は薬代へと消えて行く。悪梦に魇される日々が続いた。
      店に出てもこの世界は狂っているとしか思えなくなった。
      现実が辛いから客はここに来る。実体のないこの世界に何かを见だそうとしている。
      それが分かっているくせに、见て见ない振りをして溺れていく。
      それは正に今の自分だった。
      成绩も落ちった。売上がどんどん下降していく。
      无気力なまま俺には何もかもどうでもよく感じられた。
      店では駄目でもまだスポンサーたちが食わしてくれる。そう考えていたが客も次第に离れていた。
      そんなある日、ふと一人の客が目に止まった。
      どう考えてもこの店に来るようなタイプじゃない。
      金を持っているようにはとても思えないし、とにかく、地味な存在だった。この世界の外では普通なんだろうが。
      たまたまそのテーブルに俺が付くことになった。
      「こういう店、初めて?」
      彼女は颔き、友达に连れて来られたと言った。
      横目で别のホストと话し込む友达を见る。そこそこ派手な格好して、游び惯れた感じがする。
      友达は彼女に社会勉强させようとでも思ったのか、それとも誂い半分なのか。
      いずれにしても普段から仲良くしているふうには见えない。
      「そう、あまり来ないほうがいいと思うよ。」
      彼女は「どうして」と闻いた。
      ホストならどんな客も别け隔てなく接しなければならない。
      しかしこの时の俺は半ば自弃になっている。口の闻き方も横柄だ。
      「こういう店高いじゃん、似合わないと思うしさ」
      彼女は少し表情を昙らせた。
      そんな様子にはお构いなしに、适当に喋って席を立った。
      后から友达の方に付いた仲间のホストから闻いた话だが、どうやら彼女は町で俺を见かけ、兴味を待ったらしい。
      それで友达に頼んでこの店に连れてきてもらったということだった。
      「あ...それでか」だからと言って、それで兴味が沸くわけでもない。
      别によくある话だし、実际俺と话していい印象を持ったとは考えにくい。
      もう来ないだろうと思っていたら、今度は一人でやって来て、俺を指名した。
      やれやれと思いながら、テーブルにつくと、かいこうじばこう言ってあった。
      「そのうち金が続かなくなるぞ」
      彼女は黙って下を向いた。それは弁えているようだった。
      挂売りにせず、きっちり现金を置いていく。
      まあ、こっちもそのはうがありがたいが、如何せん金にならない客だ。
      それでも通ってくるから、少しは気を使ってやることにする。
      高い酒は頼まないし、早めに帰すことにしている。
      「俺のどこがいいの」
      「他の人とは违うから」と彼女は答えた。
      「まあ、NO.1だからな」そう言ってから心で舌打ちした。
      とうにNO.1の座は明け渡している、今は下から数えたほうが早いかもしれない。
      面白くなかったが、かと言って昔の気力は取り戻せない。
      ふと考え事した、俺は何をしているんだろう、この世界の顶点を目指していたはずじゃなかったのか。
      いつの间にか薬に手を染め、落っていくだけの存在になってしまった。
      店での扱いも今は最悪だ。后から入ってきた后辈にどんどん追い抜かれていく。
      もう未来はないのかもしれない。しかし俺には他に行く场所がない。
      不意に「映画を见に行きませんか」と彼女は声をかけてきた。
      「映画?この俺がお前と?」马鹿马鹿しいと思った。しかし一方でたまには気晴らしもいいかなと考える自分もいた。
      (かいこうじばこう言ってあった,这一句中的かいこうじば 到底怎么拼,什么意思 查了辞典和网络还是没弄明白,开口时はこう言ってあった?别扭...)


      4楼2012-01-11 15:39
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        07
        休みの日の昼间、待ち合わせて吃茶店に入った。
        何を见るかまだ决めてない。彼女はあれにしようかこれにしようかと迷っていたが、俺は何でも良かった。
        「好きなものにしな」
        彼女はラブストーリーが好きだと言った。
        吃茶店を出て映画へと向かった。
        お茶代もそうだが、入场料も俺が払った。
        「どうせ金ないんだろう」
        彼女は俯いて申し訳なさそうな颜をした。
        しかし映画が始まる途端に、目を辉かせ、シーンによっては涙を流し、そしてまだ食い入るようにスクリーンを见诘めた。
        俺は映画よりもそっちのほうが面白かった。
        映画馆を出てから食事した。食事の间も彼女は映画の话をし続けた。
        普段无口なくせに、今日は良く喋るなあと思って、颜を见ていたら、俺の视线に気付いて急に耻ずかしそうに颜を赤らめた。
        その普通さが急に新鲜に思えてきた。考えて见れば今日は普通なデートだった。
        その普通なデートが俺にとっては生まれて初めての体験だった。
        「本当に普通なんだな」思わずそう言ったら、「普通じゃいけないの」と闻き返してきた。
        これには俺も答えられなかった。というか、俺の中に答えがなかった。
        帰り道、彼女が手を繋ぎたいと言った。别に何の考えもなく手を差し出したら、嬉しそうな颜して指先を少し握ってきた。
        中途半端は面倒なので、思い切り指を络めたら、紧张したのか、しばらく无言になった。
        このとき「普通って悪くないな」という思いが头の隅を掠めた。
        その时どっくんと心臓が激しく波打った。と同时に薬が切れたと头の中の别の自分が警告を発した。
        一気に汗が喷き出す。
        俺は彼女の手を振り払うと、近くの公园のトイレに駆け込んだ。
        彼女の追ってくる気配を感じた。
        「来るな!」叫んだ时にはもうドアは开けられていた。
        向こう侧に立ちつくんで青ざめた颜の彼女がいる。
        俺は注射器を片手にもう一度叫んだ「见るな、あっち行け!」思い切り强くドアを闭めた。
        暂くして动悸も治まり、外に出てみると、彼女は泣き颜でまた立っていた。
        俺は速歩でどんどん歩き出した。彼女は小走りで后を追ってくる。
        「そんなこともう止めよう」と泣きながら追ってくる。
        「うるせい、お前うざいんだよ、もう二度と店にも来るな」
        俺はそう言ってタクシーに乗り込み、彼女を置き去りにしてその场を后にした。
        呆然と见送る彼女の姿が脳に浮かんだが、决して振り返ることはしなかった。
        以来彼女は店に姿を见せなくなった。またいつも通りの生活が始まった。
        此顷には副作用もひどく、立て続けに何本も打たなければならないことが频繁に起きた。
        そのうちに店に出ることも亿劫になり、パトロンの家で过ごすことが多くなった。
        一日中薬を打っては寝ている。饮みに行くと言えば、パトロンがぽんっと十万円を寄こした。
        完全に干物生活だった。しかしそれを疑问に思う自分はもはやいなかった。
        このパトロンが俺に薬を教えた。そのせいでこんな生活を强いられている。
        だから面倒を见てもらうのは当然だくらいにしか考えなかった。
        パトロンも特に何も言わない、俺が侧にいるだけで満足しているふうだった。
        それでも久しぶりに店に出た。
        干物生活だけじゃ薬代を稼げないし、何より自分が生きていることの证が欲しいと考えた。
        しかし、俺を待っていたのは店侧の冷たい仕打ちだけだった。
        とうに见放されていることに気付かなかった俺は便所扫除を命じられて、体が震えた。
        もうここにも俺の居场所はなかった。
        08
        「疲れた。」店が终わって夜明け前のまだ薄暗い道を歩きながら、ふと呟いた。
        今日は自分の部屋に帰って休もう、何も考えずに眠ろう。ただひたすら眠りたい。
        


        5楼2012-01-11 15:40
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          そう考えながら见惯れた朝の繁华街の风景を后にした。
          部屋についてベッドに腰を下ろし、ほっと一息ついたところで心臓がどっくんとなった。
          「!!!」急に禁断症状が始まった。
          慌ててポケットを下げ、バッグの中身を引っくり返す、家中の引き出しを开ける。
          しかし、ない!どこにもない。
          しまったと思った时には遅かった。动悸息切れが激しくなってくる。このままではすぐにまた幻覚症状が始まる。
          どこに行けばいい、どこに行けば薬が手に入る?
          そうだ、パトロンの家に行けばある。
          すぐにタクシーを飞ばした。マンションについてドアノブに手をかけた。
          键が挂かっている。呼び铃を鸣らし、ドアを叩いたが、応答がない。
          合键を出そうとポケットに手を突っ込んだところで、家に忘れてきたことに気付いた。
          「畜生!」ドアに蹴りを入れてから震える手で携帯を鸣らす。
          コールだけが缲り返される。终いには留守电に変わった。
          「あの野郎どこに行ってやがる!」
          今度はバイヤーに电话をかけた。出ない、こいつも出ない。
          「あ!!!」携帯を床に叩き付けてマンションを飞び出した。
          どこをどう走ったか分からない、どこに行けばいいか分からない、自分がどこにいるのかも分からない。景色が回る。
          终に俺が倒れ込んでしまった。「......」霞んだ目を开けると、目の前の戸が空いていることに気付いた。
          咄嗟に这うようにしてそこに入ってる。自分が何をしようとしているのか见当もつかない。
          ただ、助けを求めて何かに缒ろうとした。
          中は薄暗い仓库のようだった。
          中央に大机があって、そこに人が座っていることが分かり、とにかく駆け寄った。目の前で见たらそれは老人だった。
          何か言おうとしたが、息が切れて言叶にならない。
          すると老人のほうから声をかけてきた。「ご注文は?」
          注文と闻いて思わず老人に诘め寄った。
          「早くくれ!」
          「あ?何を?」
          「薬だよ、分かってるだろう!」
          「薬は预かっておりませんが」
          「何だっていいから、くれ!」
          机に両手の拳を叩き付けた。もう何振り构っていられなかった。
          しかし错乱状态の俺の様子を见ても、老人は至って冷静だった。
          「うちでは幸せを売っておりますが」
          今度は幸せと闻いて笑いが込み上げて来た。
          「は...ははは...幸せだと?ははは... 俺の幸せは薬なんだよ、じゃなければ楽にしてくれよ!」
          「楽に?死にたいのかな?」
          全身の震えが止まらない、居ても立ってもいられない。
          「楽になるんだったら、杀してくれよ...」
          堪らず床に泣き崩れた。苦しみと惨めさと悲しみが一気に押し寄せてきて、今すぐ死んでしまいたいと思った。
          すっと老人が「承知しました」と言って、注文书と书かれた纸と铅笔を差し出した。
          何を承知したのか理解する术もなく、そこに薬の名前を书き込んだ。
          老人はそれを受け取ると、注文书の控えと请求书、それに住所を记した纸を寄こした。
          「お代は后払いの成功报酬となっております」
          「后払い、とにかくここに行けば手に入るんだな?」
          受け取った纸を握り缔め、その店を飞び出した。タクシーを捕まえ、急いでその场所に向かった。
          


          6楼2012-01-11 15:40
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            09
            ついたのは住宅地の何の変哲もない古びたアパートだった。
            その一室を激しくノックした。するとドアの小さな窓越しにこちらを覗く目が见え、続いて键を开ける音が闻こえた。
            思い切りドアノブを引いて中に押した俺は声を张り上げた。
            「早く売ってくれ!」
            言い终わってから、目の前にいる人间を见て惊いた。
            店によく来て俺を指名していたあの地味な彼女が立っていた。
            「...お前...」
            彼女の颜を见てまた笑いが込み上げてきた。
            「ははは...そうだったのか、お前実は売人だったのか、だったら早く言ってくれよ。はは...こいつ可笑しい、ははは...あははは...」
            一频り笑ってから、彼女に诘め寄った。
            「さあ早く出してくれ」
            彼女がびっくりしたような颜しながら、首を横に振った。
            俺は苛立った。
            「まさか俺には売れないわけじゃないだろうな?」
            「そんなものない」という言叶を闻いて切れた。
            「ふざけんな、隠してるんじゃねえ!」
            女を突き飞ばして中に入り、部屋中を探し回った。
            「どこだ、どこに隠した?」
            彼女は震えながら、「そんなものはない」と缲り返した。
            俺は台所の包丁を手に取ると、それを突き付けた。
            彼女は震えながらも俺を睨み付けていた。
            「頼むから、出してくれよ...」
            もう限界だった。俺の怒声は涙混じりの悲痛な声に変わっていた。
            震える手はもう包丁を握っている握力さえなく、包丁はゴッツンという声を立てて床に突き立った。
            「あああ...あああ...」
            头を抱えて部屋中を転げ回った。激痛と苦痛と恐怖感に呕吐を缲り返した。
            体が燃えるように热く、まるで全身が火だるまになったような感覚だった。
            「あつい...あついよ...」
            俺はそのまま気を失った。暗い暗の底に蠢く自分がいる。漂っているというほうが正しいかもしれない。
            体は全く动かない。死んだのかなと思うも、それならそれで构わない。
            やっとこれで楽になれる気がする。
            底なしの暗に更に体が沈んでいく。
            もう光が见えないから、歩く必要もない。所诠この暗の中にしか自分の居场所はない。
            だからこれでいい、ゆっくり眠らせてくれ。
            そう考えたところで人の声がした。
            「オーイ、オーイ」と自分を呼んでいる。
            どこから闻こえてくるか见当もつかない。それでも声は近づいてくる。
            あの声は...?「亲父、お袋...」叫んだ途端、何も无いこの暗に风が吹き、一気に体が上升した。
            10
            「っあ!」自分の呼吸器を通して吐き出された息に俺は现実世界に引き戻されたことを知った。
            うっすら目を开けると、视界の中に彼女がいた。
            手に団扇を持って一生悬命に俺を扇いでる姿が见える。横に洗面器と濡れタオルが置いてある。
            「俺の体を拭いたのかな」とぼんやりした头で考えた。
            それにしても何だか蒸し暑い。
            「クーラーは?」
            彼女が首を横に振った。
            「扇风机は?」
            また彼女が首を横に振った。
            あ...だから俺を団扇で扇いでいるんだな。そう思って部屋を见渡した。
            六畳一间のアパットは岚が去った后のように、手の施しようのないありさまだった。
            「こんな贫乏くさいところに住みやがって」いつものように悪态をついた。
            彼女は黙っていた。
            ふと気になったことがあって讯ねた、「**は?」
            彼女は首を振った。
            こんなに暴れたのに、よく呼ばなかったもんだと感心した。
            「俺が怖かったか?」今度は首を縦に振った。そりゃそうだろうと思った。
            それにしても相変わらず口数の少ない女だなと考えていたら、不意にしっかりした言叶が闻こえた、「普通になろう?」と。
            俺は黙って彼女から目を背け、横を向いた。
            目头が热くなったのを见られたくなかった。目から涙がつうっと頬を伝った。
            俺はこの部屋から出直そうと思った。
            11
            それからは禁断症状と戦う日々だった。俺は病院で治疗を受けることを拒んた。
            例えそれで回复したとしても、**の世话になることは分かりきっていたからだ。
            彼女はそのことについて何も言わなかった。勤め先に休职愿いを出し、ひたすら俺の侧にいた。
            苦しみ、叫び、泣き唤いて暴れる俺を看病し続けた。
            素人疗法は无茶だと分かっていたが、それでも俺はこの部屋から外に出たくなかった。
            店も无断で辞めた。ここしかもう俺の居场所はないと思った。
            悪梦に魇される回数も渐く减り、少しずつ落ち着きを取り戻してきた顷のことだった。
            ある日彼女が买い物に出かけた际に、俺は机の引き出しに注文书と书かれた见覚えのある纸を见つけた。
            注文栏に彼女の笔迹で「彼を助けて下さい」とある。
            そうか、あいつも行ったのか。そのまま注文书を引き出しに戻した。
            そしてあの老人のことを思い出し、受け取った请求书にもう一度目を通した。
            「死ぬ気で生きなさい、そしてあなたを救いたいという彼女の気持ちに报いなさい。それを生涯に渡る代偿として、ご请求申し上げます。不思议工房」
            不思议工房がどこにあったのか、まるで覚えちゃいない。
            例え彼女が场所を知っていたとしても、寻ねるつもりもない。
            ぼんやりそんなことを考えていたら、彼女は帰ってきた。
            夕饭の支度が终わり、小さな卓袱台で彼女と向きあう。俺は箸を动かしながら、ぼそっと言った。
            「なあ、俺の田舎に一度行ってみないか?」
            彼女は嬉しそうにうんと颔いた。
            もう一度人生をやり直す、そう心に违う俺がそこにいた。
            ——————————ENDING————————————————


            7楼2012-01-11 15:43
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              这么“正经无趣”的东西,不知道有没有人有兴趣...


              8楼2012-01-11 15:44
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                我来咯~~~~~~~~~~(*^__^*) 嘻嘻…… 来复制粘贴滴~~~~~~~~~
                ご苦労様~アキちゃん~明日、このCDを闻きなおします~


                9楼2012-01-11 21:50
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                  小风~ 检查一遍又发现一处写错了
                  02里 まるで、金缚りにあったような、いや、ただ今まで歩いでいたはずだ。 不是歩いでいたはずだ 是 歩いていたはずだ。
                  


                  10楼2012-01-11 23:03
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                    最后一句是 誓う不是 违う


                    11楼2012-01-12 00:01
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                      这都是顺手写错的....我也经常这样......


                      12楼2012-01-12 10:24
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                        刚听完,帮Aki酱修改几处哈
                        =======================================
                        02
                        第4行 手探りで → 手探って
                        倒数第10行 明かり → 光
                        倒数第2行 明かりがあった → 明るかった
                        =======================================
                        03
                        第4行 つうと → つっと
                        倒数第7行 焼きも → 焼きもん 【这个不是很确定,感觉,焼きもの 可以写成 焼きもん】
                        =======================================
                        06
                        Aki酱问的:かいこうじばこう言ってあた
                        这个应该是:开口一番こう言ってあった。
                        意思是:一开口就这么说。
                        =======================================
                        


                        13楼2012-01-12 12:36
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                          好吧,我也错了
                          02 第四行 那个没有错,就是 手探り


                          14楼2012-01-12 12:39
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                            倒数第2行 明かりがあった → 明るかった
                            ————————————————————————
                            明るかった 我听到好像也是这样,但是这个词很奇怪啊,难道是惯用法,变形什么的?
                            原来是 开口一番こう言ってあった 小风好厉害,我听了好几遍都没想到这个
                            谢谢小风帮我改正~
                            


                            15楼2012-01-12 22:06
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                              我想,这里应该是 明るい 的过去式


                              16楼2012-01-13 13:00
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